【news解説】複合材部品の新しいリサイクル法の紹介

【news解説】複合材部品の新しいリサイクル法の紹介

Recycling end-of-life composite parts: New methods, markets

From infrastructure solutions to consumer products, Polish recycler Anmet and Netherlands-based researchers are developing new methods for repurposing wind turbine blades and other composite parts.

Composites World 2021/01/06

近年、CFRPの普及に伴って、その寿命を終えた製品の取り扱いが大きな問題となり始めている。(問題点は昔から指摘されていたが、実際に問題が広く顕在化し始めている。)

CFRPの中でも、特に熱硬化性のCFRPは使用後の処分が問題となっており、これは埋め立て処理による廃棄が一般的となっているが、SDGs(持続可能な開発目標)を掲げる社会の動向を考えると、中長期的にマッチしない方法であることは明らかである。

この課題に対し、粉砕したCFRPチップをコンクリートに混ぜ込んだり、熱分解や化学的手法による樹脂分解を通して炭素繊維そのものを取り出してリサイクルしたりする手法の研究が盛んに行われているが、この記事の中で紹介されているAmnet社(ポーランド)他の開発した方法に、これまでとアプローチの異なる独創的なものが含まれていた。

それは、廃棄されたCFRP製品の部材を、元の形状を維持したまま、橋の骨や家具などに適用する方法である。
(この手法は、古民家解体部材の家具への転用を彷彿とさせる。)

もう一つ、押し出し成型も紹介されているが、それは、これまでも行われてきたCFRPを粉々に砕いたCFRPチップを補強材として利用する手法の延長線上にある技術である。

今後も、確実にCFRPの利用拡大に伴う廃棄CFRPは増え続ける。これは既に決まった未来であり、これらをずっと地面に埋め続ける訳にはいかない。
したがって、そのリサイクル手法について、我々は真剣に向き合わなければならないし、いずれは、その最適解を獲得し、社会で共有し、整備し、持続性ある産業の構築を進めなければならないと考える。

本メディアとしては、このように国内向けに情報共有を続けることによって、多少なり前述の事項に貢献できれば幸いである。

*ポーランドのリサイクル企業Anmetとオランダの研究者は、インフラソリューションから消費者製品まで、風力タービンのブレードやその他の複合材部品を再利用する新しい方法を開発している。