島津テクノリサーチが2020年8月Youtubeチャンネルを開設。
in situ X線CT載荷試験システムDynamiCTは、X線CTシステムの中に載荷試験機を入れた、
島津テクノリサーチ独自で開発した試験機であり、座標を(x,y,z,t(時間))とすることから、4D-CTとも呼ばれる。
動画の解説
まず、2次元の断層像で3点曲げの破壊挙動をみると、曲げ応力を掛けた点ではなく、応力面上の応力点の横の脆弱点で圧縮による座屈が発生⇒その裏側で引張による破断が発生する、という破壊メカニズムが確認される(1:00~)。
この装置の興味深い点は、破壊メカニズムを3次元X線透視で確認することができることである(1:20~)。
更に、3次元のアニメーションで破壊挙動を確認し、更にメッシュを切って解析し、ひずみを可視化することもできる(1:42~)。
これによって、曲げ応力により試験体にどのようなひずみが発生し、その結果として、試験体内部でどのような応力蓄積、応力解放がされるかの情報を得ることができる。
CFRPの応力による破壊挙動については、昔から多く議論されており、検索すると膨大な論文がヒットするが、ここまで明瞭に確認できる装置は他にはみられない。
島津テクノリサーチでは本装置を含めた受託分析を行っており、今後のCFRPの設計において、大きく貢献すると思われる。
補足情報
その他、島津テクノリサーチのYoutubeチャンネルでは、
・CFRPのパンクチャ衝撃試験動画
・DIC(画像相関法)によるひずみ解析の仕組み
も動画で公開している。
CFRPを含めた材料力学において、「理解しているはずが知らなかった」と見落としがちな、基本的な内容を含むコンテンツが掲載されているので、今後も当チャンネルをチェックしていきたい。
*(株)島津テクノリサーチは(株)島津製作所100%株主の総合分析会社。