1月 1, 2019
熱硬化性樹脂
不可逆性 A + B ⇒ C
・エポキシ樹脂
・フェノール樹脂
・不飽和ポリエステル樹脂
・ポリイミド樹脂
・ウレア(尿素)樹脂
など
1月 1, 2019
「どんな用途、どんな環境でCFRPが使われるか」
⇒どんな樹脂を使ったらいいか?
・CFRPには、基本炭素繊維表面になじみやすいもの(=親和性の大きいもの)が選択される
・CFRP部材の用途・環境に応じて樹脂は選択されるが、
最も一般的なものがエポキシ樹脂である
モノマーが「1分子構造内にエポキシドを2つ以上含む化合物」である樹脂
⇒硬化反応時、エポキシドの開環反応を伴う
炭素繊維表面との親和性が非常に良い
・重合の際、エポキシ樹脂が炭素繊維表面に付加したOH基やCOOH基と共有結合をする。
・樹脂と繊維表面改質剤(サイジング剤)どちらもエポキシ化合物がメイン。
アウトガスが少ない、硬化収縮が小さい、密着性に優れる等手扱いが良い
・フェノール樹脂:縮合の際に脱水反応により水、特にノボラック系は硬化剤からアンモニアが生成される。
・不飽和ポリエステル樹脂:硬化収縮が大きい(5~6%程度・単体の場合)
・ポリイミド樹脂:耐熱性に優れるが、高価。脱水反応や溶媒の揮発など、手扱いが非常に難しい。
ビスフェノールA型 エポキシ樹脂の90%を占める
・骨格部分の分子構造
・硬化した時の架橋密度が物性を左右する
エポキシ樹脂とアミンの反応
組み合わせが無限大なので、用途に応じた配合選択ができる。
⇒樹脂メーカーに用途や使用環境を相談
・FRP全体の中では、おそらく最も使われているマトリックス樹脂
・発生したラジカルが不飽和ポリエステルの二重結合を攻撃し、スチレンが架橋していくラジカル反応
・ラジカル開始剤となる有機過酸化物の選択により、硬化温度を自由に決めることができる
⇒ラジカル開始剤が分解してラジカルを発生させる温度に硬化温度が依存する
・反応開始と収束がシャープで速い
・難燃性材料として使われる
⇒列車の外装などの例も
・樹脂単体が安価である
・副生成物として水、未反応フェノール、ノボラックの場合は加えてホルムアルデヒド、アンモニアが発生する
エポキシ樹脂 | フェノール樹脂 | 不飽和ポリエステル樹脂 | ビニルエステル樹脂 | |
成形作業性 | △ | △ | ◎ | ○ |
機械的強度 | ◎ | △ | ○~◎ | ◎ |
硬さ | 低~高 | 低~高 | 低~高 | 中~高 |
電気特性 | ○ | △ | ○ | ○ |
硬化収縮率 | ○ | — | △~○ | △~○ |
耐薬品性(酸) | △~○ | ◎ | ◎ | ◎ |
耐薬品性(アルカリ) | ○ | × | ○~× | ○ |
耐薬品性(溶剤) | △~○ | ◎ | ○ | ◎ |
耐候性 | △ | — | △~○ | △~○ |
接着性 | ◎ | ○ | ○~△ | ○ |