【news解説】超軽量の貯蔵タンク:InfiniteComposites社のType-Vタンク

【news解説】超軽量の貯蔵タンク:InfiniteComposites社のType-Vタンク

Infinite Composites: Type V tanks for space, hydrogen, automotive and more

After a decade of proving its linerless, weight-saving composite tanks with NASA and more than 30 aerospace companies, this CryoSphere pioneer is scaling for growth in commercial space and sustainable transportation on Earth.

Composites World 2023/06/27

ここでは、Infinite Composites社が提供するType-Vタンクを紹介します。はじめに、高圧ガス用の圧力容器にはその構造からType-I~Vに分類され、以下のような特徴があります。

・Type-I   : 金属製の継ぎ目のない容器。最も歴史が古く、最も重い。
・Type-Ⅱ : Type-Iの周囲をFRPで補強し、軽量化を行ったタンク
・Type-Ⅲ : タンク本体をFRP化し、ライナーと口金の継ぎ目なしの金属を用いたタンク
・Type-Ⅳ : 本体をFRP化しライナーに樹脂、口金に金属を用いたタンク
・Type-V  : 本体をFRP化しライナーを用いず、金属の口金を用いたタンク

タイプの数字が大きくなるほど、タンクは軽量化していきますが、特にType-Ⅳ以降はライナーに金属を用いていないため、高圧ガスを透過してしまう恐れがあり、技術的に高度な製品となっていきます。Type-VはFRP製かつライナーレスなので、一般的な金属製タンクよりも質量を最大90%削減できますが、ガス透過の危険性が最も高いです。

水素自動車にしろ、打ち上げロケットの燃料タンクにするにしろ、タンクの軽量化は、それだけ搭載する移動体の軽量化につながるため、非常に重要な技術となります。

特に、打ち上げロケットは1kgの積載量の差が莫大な打ち上げコストに大きく関わってくるため、タンクの軽量化の需要(市場)は今後、大きく伸びていくと容易に想像できます。

Infinite Composites社は、それら厳しい規格や試験に合格し、航空宇宙やモビリティ、産業分野にType-Vタンクを提供している会社です。

画像提供:Infinite Composites社