CFRPの詳しく知る(#1 CFRPの繊維特性)

CFRPの詳しく知る(#1 CFRPの繊維特性)
炭素繊維の定義

有機繊維を焼成して得られる、炭素含有率が90%以上の繊維

炭素繊維(Carbon Fiber)

PAN系 高強度

ポリアクリロニトリル(PAN)
繊維を蒸し焼きにして、炭素以外の成分を除去して製造。
→市販の炭素繊維の90%以上

ピッチ系 高熱伝導率 高弾性率

コールタールピッチや石油ピッチ
を精製、改質、熱処理し、得られた紡糸ピッチを紡糸し、
不融化後、所定の温度で炭化、黒鉛化することにより製造。

CNT(カーボンナノチューブ)

場合によって炭素繊維に分類されることもあるが、本内容では割愛。

PAN系炭素繊維

高強度が得やすい 湿式紡糸・結晶紡糸

ポリマーを溶媒に溶解
口金から吐出
繊維形成
溶媒洗浄
巻き取り

ピッチ系炭素繊維

高弾性率が得やすい 溶解紡糸・ゲル紡糸

ポリマーを融解
口金から吐出
繊維形成
巻き取り

口金から出た時の状態(=分子配向)の違いで力学的特性が変わる

■PAN系炭素繊維

高強度が得やすい 湿式紡糸・結晶紡糸

参考:炭素繊維(PAN系)の進歩と今後の展開

■ピッチ系炭素繊維

高弾性率が得やすい 溶融紡糸・ゲル紡糸

一般的なピッチ系炭素繊維の断面
参考:日本グラストファイバー株式会社
一般的なピッチ系炭素繊維
参考:日本グラストファイバー株式会社

PAN系の炭素繊維について

◆金属に比べて同体積では軽い・・・比重が1.8前後
⇒鉄の7.8に比べて約1/4、アルミの2.7に比べて約2/3倍

◆比重の割に強い・固い・・・強度および弾性率に優れる。
⇒引張強度を比重で割った「比強度」が鉄の約10倍
⇒引張弾性率を比重で割った「比弾性率」が鉄の約7倍

フィラメント:線径 5~7μm (髪の毛の約1/10)
種類レギュラートウ(RT)ラージトウ(LT)
フィラメント数機械的特性に優れる
高品質
品質は劣るがコスト低
焼成フィラメント焼成なので
均一に焼成
トウ焼成なので
焼成にムラがある
原料炭素繊維用アクリル繊維汎用アクリル繊維
参考:http://www.nisri.jp/jisedai/docs/lecture_20131010_umemoto.pdf
※同じ種類でもボイド・欠陥の量炭素原子含有率で特性が変わる。
東レ「トレカ」の場合
種類引張強度
MPa
引張弾性率
GPa
内部欠陥価格
T3003530230
T400HB4410250
T700SC4900230
T800SC5880294
T1000GB6370294
T1100GC7000324
参考:http://www.torayca.com/lineup/product/pro_001_01.html

サイジング剤(集束剤)

サイジング剤の役目

・炭素繊維表面の毛羽立ち等を抑える
・炭素繊維と樹脂の接着性向上

サイジング剤は複合化する樹脂に応じてそれぞれ適したものが採用される。

炭素繊維の使用上の注意

Point

炭素繊維は導電性材料 → ショートに要注意