PAN系 高強度
ポリアクリロニトリル(PAN)
繊維を蒸し焼きにして、炭素以外の成分を除去して製造。
→市販の炭素繊維の90%以上
有機繊維を焼成して得られる、炭素含有率が90%以上の繊維
高強度が得やすい 湿式紡糸・結晶紡糸
高弾性率が得やすい 溶解紡糸・ゲル紡糸
口金から出た時の状態(=分子配向)の違いで力学的特性が変わる
◆金属に比べて同体積では軽い・・・比重が1.8前後
⇒鉄の7.8に比べて約1/4、アルミの2.7に比べて約2/3倍
◆比重の割に強い・固い・・・強度および弾性率に優れる。
⇒引張強度を比重で割った「比強度」が鉄の約10倍
⇒引張弾性率を比重で割った「比弾性率」が鉄の約7倍
種類 | レギュラートウ(RT) | ラージトウ(LT) |
フィラメント数 | 機械的特性に優れる 高品質 | 品質は劣るがコスト低 |
焼成 | フィラメント焼成なので 均一に焼成 | トウ焼成なので 焼成にムラがある |
原料 | 炭素繊維用アクリル繊維 | 汎用アクリル繊維 |
種類 | 引張強度 MPa | 引張弾性率 GPa | 内部欠陥 | 価格 |
T300 | 3530 | 230 | 多 | 低 |
T400HB | 4410 | 250 | ||
T700SC | 4900 | 230 | ||
T800SC | 5880 | 294 | ||
T1000GB | 6370 | 294 | ||
T1100GC | 7000 | 324 | 少 | 高 |
・炭素繊維表面の毛羽立ち等を抑える
・炭素繊維と樹脂の接着性向上
サイジング剤は複合化する樹脂に応じてそれぞれ適したものが採用される。
炭素繊維は導電性材料 → ショートに要注意