CFRPの成形手順(オートクレーブ成形)

CFRPの成形手順(オートクレーブ成形)
オートクレーブ成形の特徴

品質再現性・安定性が高く高品質
・成形時の圧力が高く気泡(ボイド)発生が抑えられる。(通常0.3MPa程度で、最大2MPa程。)
・圧縮空気を用いて材料の加圧を行うため、材料に対して成形圧力が均等にかかる。

成形型(治具)が比較的安価
・成形用金型がプレス・射出成形用などと比較して安価に済むため、
 一品あたりのイニシャルコストが小さくなり、高付加価値品の少量生産および試作開発に向く。

成形時間が長く大量生産・廉価品に向かない
・缶内(圧力容器内)に圧縮空気を送り込み、その空気を加熱する方式なので、成形圧力、成形温度に到達するまでの時間がかかる。(主に加熱がネック)
→加熱時間の短縮には、材料や成形型を直接加熱するハイサイクルオートクレーブという選択肢がある。

設備導入時のコストが大きい(事業開始時のイニシャルコストが大きい)
・高額な設備が不要な成形方法と比較すると導入時にコストがかかる。
→小型の成形品、実験用途には、比較的安価な小型モデルのオートクレーブもある。

オートクレーブで使用される材料

プリプレグ

最もポピュラーな材料であり、オートクレーブ以外にも広く使用される。

  • 炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸した半硬化状態の材料
  • 確かな品質管理がなされており成形後のバラツキが少ない(安定している)
UD(一方向)
綾織

その他

オートクレーブ成形はポテンシャルが高く、様々な材料に対応することが可能。

  • CFRTP用材料(セミプレグ、コミングルヤーン、熱可塑性樹脂のフィルム、パウダー等)を用いた成型も可能
    ※ただし高温、高圧仕様のオートクレーブのみ
  • リキッドモールディング(プリプレグを使わず、繊維に液体の樹脂を後から含浸させる成形法の総称)も実施可能

オートクレーブで使用される主な型材料

⾦属型(アルミ合⾦、スチール等)試作〜量産向け

  • 耐久度が⾼く⼿⼊れが比較的容易
  • CFRTP成形にも耐えうる耐熱性
  • 外注先豊富

パールボード型 試作〜少量生産向け

  • 低粘度エポキシ樹脂で目⽌めを⾏い使⽤する
  • 熱膨張率が低く成形精度が⾼い
  • 脆く寿命が短い

FRP型 試作〜少量生産向け

  • 製品、マスター型から反転型を安価に作ることができる
  • 熱膨張率が⾼く、型製作の段階からから熱収縮を起こす
  • 熱劣化により寿命は短い
  • ハンドレイアップによるFRP成形技能が要求される

CFRP型は上記の弱点を克服し得る。

プリプレグの裁断

自動裁断機(カッティングプロッター)

自動裁断機を用いることによって、プリプレグを高速で裁断することができる。成形を生業とする企業にとっては必需品であり、非常に有益な装置である。

ただし、ちょっとした研究開発を行ったり、試作を行ったりといった場合には高額な装置でもある。

その場合は、手作業で裁断をする。

裁断のコツ

折れ刃カッターを使⽤し、切れ味が悪くなったらすぐに折る
ワンパスで切ることを心がける

繰り返し刃を通すと炭素繊維がケバ⽴つ

曲線やおおざっぱな切断はハサミを⽤いる

CFRP⽤のハサミを⽤いるとよい
普通のハサミだとすぐに消耗してしまう

裁断後は積層順に重ねておくと間違いがない

型の準備

型の清掃

型に傷やガンコな汚れがある場合はサンドペーパー等で仕上げる
溶剤で脱脂する

アセトン、MEK、IPAなどが定番
FRP型の場合、溶剤との相性に注意

型の離型

離型とは、成形終了後に型から成形品を外す作業のこと。

  • 厚く塗りすぎると、型の表⾯が粗い場合は成形品への転写が大きい
  • 離型剤塗布方法はその製品の取り扱い方に従う
    速乾?焼き付け?塗布回数?

離型処理が適切にできないと成形品が型から外れず成形品・型が破損する

引用:FRASERS

積層方法

離型紙またはポリエチレンフィルムのどちらかを剥がす
  • 離型紙側 オススメ
    フィルムは柔らかく半透明なため作業がしやすい
  • ポリエチレンフィルム側
    離型紙は硬いので積層時にシワになりにくい

 ※必ず繊維方向に向かって剥がす

積層

積層側に残った離型紙またはポリエチレンフィルムを必ず剥がす
位置を決めたら、「中央から繊維方向に沿って」空気を押し出すように貼る

バギング(真空バッグ)

バギングの要領
ブリーザークロス(ポリエステル不織布・バッグ内の空気の通り道の役割)で包む
バギングフィルムで包み、バキュームシーラントで止める
真空ポンプでバキューム

バギング時のチェックポイント

リークチェック(必須)

真空ポンプでしばらく引いた後、漏れがないか確認する。

真空バッグ単体で真空度が維持できるか確認する

・シューシュー音が聞こえる場合は、原因となる箇所を探す
・真空ポンプを止めてからしばらく置き、メーターの真空度が保てていない場合は、原因となる箇所を探す

成形に必要な材料

下記の名称は、人によって読み方に違いがある事もあります。
理由は、組織ごとに定着した読み方、呼び方の違い(業界の方言)があるためです。
そのため名称に正解がないモノも含まれていますので、名称だけでなく、機能・役割もあわせて覚えておくことをお勧めします。

名称説明
プリプレグCFRPの直接材料
真空バッグフィルム材料を真空引きするためのフィルム
コンパクションフィルムプリプレグ積層が厚くなる場合、
一定の積層枚数ごとに真空引きを行い、層間の脱気を行うフィルム
ブリーザークロス真空引き時の空気の逃げ道の経路
(ポリエステル不織布)
雛形フィルム成形品と成形治具及び副資材の離形するためのフィルム
液体離形剤成形品と成形治具を離型するための液剤
バキュームシーラント真空バッグフィルムを閉じるための粘着ゴム
(シーラントテープとも言われる)
耐熱テープ副資材や型、熱電対の固定等に使用する
ピールプライ成形品の樹脂量制御・表面接着性向上のために、
積層表面に貼られる布

成形(キュアスケジュール)

オートクレーブ成形によるボイドの原因とは

真空引き時の層間残留空気・吸湿成分・反応ガスなど

樹脂の温度ー粘度曲線を理解し適切なキュアスケジュールを!

・まずは温度に対する樹脂の挙動を知ること
・キュアスケジュールは各成形メーカーのノウハウとなる

適切なキュアスケジュールに関する相談はお問い合わせください。

成形(オートクレーブ成形)

オートクレーブを稼働させ、スケジュール終了後に成形品を取り出します。

オートクレーブ成形の一連の流れについてはご要望に応じて体験会も実施しています。