Application of basalt rock-based materials in the automotive industry
This article presents the characteristics of basalt-based materials, their possibilities and their prospects for widespread application in the automotive industry, including for the production of electric-drive cars. This article has been published in the JEC Composites Magazine N°148.
JEC 2023/02/15
自動車産業は、難燃性に優れた耐久性のある新材料を求めています。ここで注目されるのが、玄武岩を材料とするバサルト繊維(BF)です。特に電気自動車の普及とともに、安全性と耐久性を保ちつつ軽量化を追求するため、BFの繊維は期待されています。
BFは軽量で耐久性に優れ、また炭素繊維と比べて安価なのが魅力です。これらの特性は、従来、自動車の繊維複合材に主に使われてきたガラス繊維や炭素繊維と比較して優れています。
BFは比破断強度が非常に高く、金属の2~2.5倍、ガラス繊維の1.4~1.5倍に及びます。この材料は外部環境要因や厳しい環境に対する高い耐性を持っており、湿気、塩水、化学媒体との接触にも耐えることができます。また、高い耐熱性を持つため、不燃性の高温材料としても使用可能です。
また、BFは長期の使用温度範囲が広く、-200℃から+600℃まで対応可能です。さらに、その断熱性や遮音性に優れ、1~3ミクロンの超薄型BF材料の熱伝導率は極めて低いとされています。
これらの特性から、バサルト連続繊維(BCF)から作られた材料や部品は航空機や造船分野での断熱材や遮音材にすでに使用されています。さらに、振動や繰り返し荷重に対する耐性も高く、金属やプラスチックなどの他の材料との組み合わせにも適しています。
BFCを使用した複合材料は、外装部品や電気駆動車のボディ、内装部品など、多様な自動車部品に適用可能です。特に電気自動車では、軽量な車体が求められています。軽量化することで、電池の搭載量を増やし航続距離を伸ばすことが可能となります。大手自動車メーカーのフォルクスワーゲンやBMWも、BFCを用いた複合車体の開発を進めています。

BFCはその高い破断強度と交番荷重に対する耐性から、250barまでの圧力に対応した高圧ガスタンクの製造にも有用です。ガスタンクは、自動車のエンジンをガソリンから圧縮天然ガスに変えるために必要なものであり、その試験圧力は500barにも及びます。

バサルト繊維は、難燃性に優れるだけでなく、軽量で耐久性に優れる性質があり、炭素繊維に比べて安価です。自動車産業だけでなく、航空、造船、鉄道車両工学など、これらの分野でのBFの利用がさらに広がることで、その他の産業でも注目される可能性があります。