CFRPの実態を捉える(#4 成形方法とコスト)

CFRPの実態を捉える(#4 成形方法とコスト)

製品によって、最適な成形方法を選択することが重要です。
ここでは、装置を用いた成形方法の概要とコスト感をご紹介します。

成形方法について

成形の基本要素

加熱
・硬化させる (熱硬化性樹脂)
・軟化させる (熱可塑性樹脂)
冷却
・硬化させる (熱可塑性樹脂)

加圧
・形状を付与する
・樹脂内の気泡を抜く・つぶす


オートクレーブ(AC)成形

電気ヒーター等を熱源として容器内の空気を加熱して、間接的に材料を加熱する

容器内を圧縮空気で満たし、空気によって加圧する

オートクレーブ成形のメリット

高品質製品を比較的簡単に成形可能。
プレスより、複雑な形状に対応可能。

プレス成形

金型で加熱し、材料を直接加熱する

プレス圧で、材料を加圧する

プレス成形のメリット

超大量生産に対応可能。
材料によっては数分というレベルで成形可能。

オーブン成形

電気ヒーター等を用いた間接的な加熱方法(AC同様)

真空バッグを形成して真空圧をかける、型を機械的に締める、熱膨張を利用して熱をかけるなど

オーブン成形のメリット

設備費用がオートクレーブより安い。
オーブンが加圧されていないため、工程をスムーズに設計可能。

コストについて

設備導入のイニシャルコスト

・高い精度と量産性が不要な場合には、オーブンでも十分である
・製品の品質安定のためにACを導入する選択肢はアリ
・短納期大量生産をするには、プレスが必須

製品ごとのイニシャルコスト

・製品ごとのイニシャルコストは、金型の価格が支配的
・プレスの金型は高価になりがちなので、大量生産でないと採算が合わせにくい
・オーブン成形、AC成形の場合は、金型が安いので少量生産を受けやすい

#4 まとめ

それぞれの成形方法を採用するということが、生産上どのような意味を持つのかということを理解しておくことが重要。