CFRP部品を製造する際に、「成形」という用語を使います。
CFRPの成形というのは、材料に任意の形状を与えて固定することです。
例えば、以下のようなイメージです。



(株)フューチャーズクラフト所有・(株)羽生田鉄工所製

一口にCFRPと言っても、その作り方は多岐にわたり、それ故にCFRPの「成形方法」にも多くの種類があります。
- 熱硬化製のマトリクス樹脂を使用する場合では、硬化前の段階で任意の形状を与えて、加熱等を行う事によって形状を固定することを成形と言います。
- 熱可塑性のマトリクス樹脂を使用する場合では、熱を加えて材料を溶融あるいは軟化させることで任意の形状を与えて、冷却することによって形状を固定することを成形と言います。
成形は、作るものの形状、性質、コスト面等、様々な要素を加味して実現方法を選択して実行するものですが、実現するための要素は全て温度と圧力のコントロールという共通したものなので、正解は一つだけではありません。
つまり、「常に最も優れた成形方法」というものは存在しないということです。
ケースバイケースで最適な成形方法が変わるため、案件ごとに適切な成形方法を考え、選択することが重要です。
最新の成形方法には大きな注目が集まるものですが、自分は何を作りたいのか、どのくらい作るのか、コスト感はいくらか、各項目の優先度はどのような感じであるか、などを考えていくと、最新の成形方法が向いていない場合もあります。
つまり、昔ながらのハンドレイアップであっても、オートクレーブあるいはオーブン成形であっても、自身のほしいものを、適切な納期・価格で作り上げることができる可能性は十分にあるということです。
最適な成形方法を選択するためには、自身がCFRP部品に対して持っている要求(使用する環境、物性等)を明確にし、コスト感、納期等も考慮した上で、各メーカー様へ相談することをお勧めします。
なお、CFRP「も」使ったものづくりのための相談は、こちらからも受け付けていますので、是非ご利用ください。